忘れてはいけないレポート

ほんと人間ってすぐに忘れてしまう。

大切なことも、つらいことも、悲しいことも、すぐに忘れてしまう。

このレポートでは自分のために、忘れてはいけないことを書き記しておくことを目的とする。

 

僕は証券会社で働いていた。
毎日通勤で1時間半もかけて糞みたいな会社に出社して、雑用を終わらせて日経新聞を読む。

朝会が始まったら今日やることを上司に報告して仕事開始、外回りに行くってこと。

外回りでは自転車使ったり、徒歩だったり、車を使ったりした。

そして片っ端からインターホンを見つけたらピンポンしていく、
大体は居留守されるけど、たまに出てくれる人には渾身の自己紹介をして、名詞だけでも受け取ってもらえるようにお願いする。

これもほとんど断られる。

そんなことを大体100件くらいこなして、営業所に戻ってお昼休憩。
成果なんて何もない、ほとんど断られて終わり。

退職を考えだしてからはほとんどの時間を喫茶店で過ごしていたから、働いていた実感はない、むしろ何もしていない自分に押しつぶされそうに常になっていた。

 

そして午後からは電話でのアポ取り営業が始まる。
大体200件くらいタウンページの電話番号に片っ端からかけていく。

当たり前だが、即切られたり、罵声されたり、煽られたりする。

当たり前のことだけど、毎日200件も電話していると頭がおかしくなってくる。
この気持ちだけは忘れてはいけない。

煽られたジジイのことは忘れてはいけない。
名刺を目の前で破ったあの中年オヤジも忘れない。

あいつらだけは。絶対に忘れない。

外回りでも嫌われ者、電話でも嫌われ者。

こんな仕事は長くは続かないだろう、営業に出されてからすぐに実感した。

 

そして上司も糞。

「無駄なことをやるから成果がでるんだ」なんてお前無駄って言ってるじゃん

無駄って自覚してるじゃん!それやらせるなよ!
そして自分がもっと効率よくやろうと試行錯誤すると

「とにかく数当たれ、変なことするよりも、数やる方が成果がでる」

あー、もうやる気出ねえ。

そうだよな、俺営業マンだし、会社の駒だよな。
何も考えずに、ただ言われたことを繰り返す機械になるのが正解だよな、、、。

 

結果上司とも意見の違いがすぐに出て、いろいろ試したい俺と保守派の上司とで営業所の雰囲気はクソだった。

 

同期も若手の先輩たちも今の環境になんの疑問も抱いていないことにもイライラした。

「見込み客の人数はこんだけいるんだぜ」
「今月は契約取れそうになくてやばいかもw」

そんなことまじでどうでもよかった。

俺は一刻でもはやく退職して自由になりたいという気持ちしかなかった。

結果的に辞めると伝えたら、「はいさようなら」なんともあっさり退職できてしまった。

 

あー、辞めてよかった。
辞めてよかったが、辞めたときの気持ちを忘れてはいないか?

辞めるからには自分の力で稼ぐとか、自由な時間を有意義にしてやるぞとか決意してなかったか?

あいつらを見返してやるって覚悟したんじゃないのか?

あいつら今頃何してるのかな。
今の自分はあいつらに合わせる顔があるのかな。

 

結局今は貯金を切り崩して生活してるし、成果だって仕事してた頃の手取りに毛が生えたようなもの。

このままだとキャリアのことも考えると、確実にあいつらに負けている。

このままじゃおれは駄目だ、ほんと人間ってのは変わろうと思っても変われない。

 

一時のモチベがもっとも高い時にやる気が出ても、そんなん当たり前だから。
やる気が出てるときにやれるなんて当たり前だから。

 

このレポートを日々見返して、絶対に忘れてはいけないことを忘れないようにしろ。
絶対に見ろ、覚えろ、脳に刻み込め。

証券時代は糞、あんな環境に比べたら今は天国だろ。

天国でのんきに過ごしてるとあっという間に地獄に落ちることになる。

そんなことはちょっと想像したら分かるはずだぞ、想像してみろ。

すぐ30代になる。30になっても今の生活ができるか?できないよな。

だから今頑張れ、あの糞な環境では頑張れなかったが、今は自分ひとりだから言い訳はできないぞ。

全力でやれ。